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青山店 ワークショップレポート
暦では処暑も過ぎましたが、今年はまだ暑い日が続きそうですね。こんにちは。source storeのSです。夏休みも終盤となりましたが、各地で花火大会や野外イベントも開催されていたので、夏の思い出もたくさんできたのではないでしょうか。青山店でも夏休みの思い出の一つになったら、という気持ちを込めて先日、小学生の皆様を対象に東京の木で作る「木製デザートスプーン ワークショップ」を開催いたしました。今回はワークショップのレポートをお届けいたします。
■木を愛する講師 八王子現代家具工芸学校の伊藤先生
今回のワークショップで講師としてお迎えしたのは、八王子現代家具工芸学校の伊藤洋平先生。
伊藤先生は、イギリスで家具作りを学ばれ、学校の近隣である多摩地域の木材を使った家具や木工品を製作し、林業の活性化に取り組まれている、家具・木材のプロフェッショナルです。
学校の公式ホームページでは理念や育成方針のほか、曲木の技術を生かした唯一無二の華やかで美しい作品などもご覧いただけます。
伊藤先生は展覧会出展や他のワークショップ依頼も多く、お忙しく過ごされている中ではありましたが、今回source store青山店のワークショップも快く引き受けてくださいました。
それぞれのご参加者様のペースに合わせて丁寧に教えてくださる伊藤先生のあたたかくやわらかなお人柄で、終始和やかな雰囲気に包まれていました。お子様だけでなく保護者様からのご質問も飛び交うほど賑やかなイベントとなりました。皆さまにはご自宅のようにリラックスしてお過ごしいただけていましたら何よりでございます。
■東京の木を使って森林を守ろう!
ワークショップでは、レッスンを始める前に東京都産業労働局から発行されている資料をお配りし、伊藤先生から木材について語っていただきました。都会のイメージの強い東京都ですが、全体面積の4割は森林が占めております。多摩地域は全体の5割が人工林で構成されておりますが、間伐や伐採などの手入れが十分に行われず放置されているのが現状です。
森林を再生させるためには、伐採した木を使い、植栽をして育てていくことが大切です。若い人工林が生長する過程では、二酸化炭素を多く吸収するため地球温暖化対策にも繋がります。木を使うことは、木材の伐採を促し、森林の循環に繋がります。木は良い香りも漂い、リラックス効果も高い自然素材です。私たちに今できることに取り組み、未来に美しい森林を残していきたいものですね。
森林保全団体は国内に多くあります。その中でも音楽家の坂本龍一さんが立ち上げた一般社団法人moretrees(モア・トゥリーズ)様は、「都市と森をつなぐ」をキーワードにと人がずっと生きる社会をめざし、様々な取り組みを行っています。
はっぴぃえんどやティン・パン・アレーなどで活動もされ、海外にもファンの多いミュージシャンの細野晴臣さん、音楽シーンに多大な影響を与えたYMOのスーパードラマーの高橋幸宏さん、日本の宗教史学者・文化人類学者で人気の「アースダイバー」シリーズで大ベストセラー作家となった中沢新一さん、音楽プロデューサー、選曲家、コント作家など様々な肩書きを持ち、日本のカルチャーシーンを牽引する存在でもある桑原茂一さんも含む5名が発起人となって設立され、現在は坂本龍一さんから、国立競技場や高輪ゲートウェイ駅など木材をたっぷり使い日本的な建築を多く手掛けられている建築家の隈研吾さんにバトンが渡り、国産材を使った商品やイベントなどの様々な活動が続けられています。少しでも森林や林業に関心を持っていただける方が増えたら嬉しいです。
moretreesオンラインストアでは、隈研吾さんや無印良品様やマルニ木工様のヒロシマアームチェアなど数々の名作を生み出され続けているプロダクトデザイナーの深澤直人さんがデザインを手掛ける製品も手に入ります。見た目も美しく、シンプルで長く愛用できるデザインばかりなのでsourceの家具のテイストがお好きな方も手に入れたくなるのでは、と思います。私はまな板を長年愛用しておりますが、乾くのも早く、大切な包丁も傷まないのでとても気に入っています。他のアイテムも考え抜かれたプロダクトばかりなので、ぜひごゆっくりご覧ください。
こちらのオンラインストアの売上の一部は、moretrees様の森づくりに活かされるようです。購入することで、社会に貢献できるのも心地よい循環ですね。
■ワークショップレッスンスタート
糸ノコやヤスリを使って、スプーンの形を少しずつ作っていきます。これがなかなか地道な作業。力が入って手が疲れてしまったり、少しずつ休憩したり、保護者の皆様にもお手伝いいただきながら、最後まで諦めず作り上げました!
ヤスリで削ると「いい香りがする~!」というお声も!ひのきって本当に良い香りが漂いますよね。削った後の端材を使って今夜はヒノキ風呂にしようよ!という素敵な発想をされた方や、端材でピックなど別のものを作ってみようという気づきもあり素材にしっかり向き合って作品作りをされているお姿が印象的でした。伊藤先生が製作されたサンプルのようにクオリティを求め、何度も調整しながら仕上げていく姿は職人そのもの。誰ひとり、途中で投げ出すことなく最後まで集中して作り上げていただきました。
最後は食用のオリーブオイル、またはくるみの油でオイル仕上げをしました。くるみを包んだ布を金槌でたたくと、なんと少しずつ油が!初めての体験なので、ご参加者様やお母様からも「わぁ~!!」と歓声が沸き起こりました。
裏表を丁寧に塗りこんで、ついに完成です!2時間近く作業を続けていたのでご参加者様も達成感でいっぱいです。
■使って体感する、木の魅力
レッスン後は、時間をかけて仕上げたばかりの木製デザートスプーンで無添加のバニラアイスクリームを楽しんでいただきました。
ご参加者様から「おいちい~!!!!」と嬉しいお言葉いただき、終始和やかな雰囲気のワークショップとなりました。ご姉妹、ご兄弟でご参加されたご家族もお互いに様子を確認しながら製作を進めて、最後は楽しく会話を楽しまれてたのも印象的でした。
家族をテーマに家具作りをしているsourceは、このワークショップでたくさんのご家族の笑顔に囲まれ、スタッフもとても幸せな気持ちになりました。お忙しい中ご参加いただいた皆様、準備から当日まで全力でサポートいただきました伊藤先生、誠にありがとうございます。作ったあとに「糸ノコ買ってほしい」とお母様にお願いしているご参加者様もいらっしゃって、ものづくりを楽しむきっかけとなっていたら嬉しいな、と感じました。
今回製作いただいた木製スプーンは、アイスクリームなどのデザートだけでなく、スープなどにもお使いいただけます。木製スプーンは熱先導率が低いため、冷たいものは手が冷たくなりにくく、温かいものは熱さを感じることなく使えます。オイルでお手入れしながら長くご愛用いただけましたら嬉しいです。
source store 青山店では、次回もご家族が楽しんでいただける企画を考えておりますので、どうぞお楽しみにお待ちください。この度はご参加いただき、誠にありがとうございます。また皆様にお会いできる日を楽しみにしております。